確定申告のポイント④~デイサービス利用料は医療費控除になるか
よく「デイサービスの利用料は、医療費控除の対象にならないよね」なんて質問を受けます。基本的には対象外ですが、絶対に対象外とも言い切れません。身近に介護サービスを受けている人がいないと意外と難解なのが、介護の専門用語です。
「医療」と「福祉(介護)」はよく似ています。税務上、問題となるのがその境目の部分です。デイサービス(通所介護)は「福祉」ですが、医師の指示のもとリハビリを合わせて行うデイサービス(デイケア、通所リハビリテーション)は、その医療部分について控除対象となります。
訪問介護(ホームヘルプサービス)は控除対象外ですが、訪問看護と併せて利用されている場合には、控除対象となる部分が発生します。
また、特別養護老人ホームの利用料は、施設サービスの対価(介護費、食費及び居住費)として支払った額の2分の1に相当する金額が対象額となります。
介護事業所・介護施設では領収書等に医療費控除対象額を明記する事が求められておりますが、はっきりしない場合は、国税庁のHPをご確認ください。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1127.htm
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1125.htm
森
確定申告のポイント③~法人税と所得税の相違点:減価償却と売却損
決算において、法人でも個人でも基本的な仕組みはほぼ変わりありません。しかし、全く同じだと言う訳でもなく、注意すべき点がいくつかあります。
その一つが減価償却です。法人税法上、減価償却費の計上は任意償却で、中小法人は減価償却で利益調整を行う事がよくあります。しかし、所得税(個人の事業決算)においては、減価償却は強制償却になります。所得税決算の場合、「今年は、利益がでないから、償却を控えて来年以降に費用をまわそう」とかはできないのです。
もう一つは、固定資産売却損益です。申告書のチェックで損益計算書に固定資産売却損・益が、記載されてくる事がありますが、これは誤りです。事業所得等においては売却損益との概念はありません。例えば車下取りがあった場合には、事業所得ではなく、譲渡所得として計算される事になります。
また、固定資産除却損との科目名も一般的ではありません。「資産損失」との概念に含まれる事になります。
森
確定申告のポイント②~H24年分申告の改正点とは?
平成24年分確定申告の改正点と言えば、「生命保険料控除の改正」でしょう。それ以外は・・・・・。もう一点、改正点を上げるとすれば、減価償却の定率法、償却率の改正です。
平成24年4月1日以後に取得する減価償却資産から定率法償却費の計算が、いわゆる250%定率法から200%定率法に変更になりました。ただし、平成24年度においては、H24年4/1~12/31取得のものについても250%定率法で計算する事ができる経過措置が設けられています。
250%定率法とは、定率法の償却率を定額法の償却率の250%とするもの。改正では、250%⇒200%への改訂ですから、償却率が落ち、納税者には不利となります。そのためH24年中は250%定率法でよいとの経過措置があるわけです。
確定申告のしおりを確認すると、この経過措置を適用する場合は、決算書・減価償却明細書の摘要に「250%定率法」と記入すると示されています。減価償却計算ソフトによっては、H24年4/1以降の取得登録では、200%定率法が原則に設定されているものもあり、選択に留意が必要です。
森